大麻の使用。マリファナが合法の国での生活って実際どうなの?

2018年からカナダで合法化された大麻/マリファナ。日本人の私からしてみたらめちゃくちゃ驚愕したのですが、あれから5年。合法前と合法後、実際生活にはどのような変化があったのかなどをまとめてみました。

大麻ってなに?

まず大麻とは何なのでしょうか? 日本では 「大麻 違法 吸っちゃだめ!」 「大麻はあなたを滅ぼします」 や大麻所持で捕まる人がニュースになっているなどで 「違法な薬物なんだ」という認識だけで、実際はどういうものなのかというのを私はほとんど知識がありませんでした。

大麻/Cannabisとわ

大麻植物から抽出される薬物であり、主要な活性成分はテトラヒドロカンナビノール(THC)とカンナビジオール(CBD)です。THCは精神的な高揚感や幻覚を引き起こすため、娯楽や医療目的で使用されます。一方、CBDはTHCとは異なり、精神作用をほとんど持たず、主に医療用途で炎症や不安症状の緩和に使用されます。

大麻はいつから吸われているの?

大麻は紀元前3,000年から紀元前2,000年ごろに遡る歴史があり、古代の文明(例:中国、インド、エジプトなど)で薬草や繊維として使用されていました。その後、世界中で文化的な用途や医療目的で使用され、歴史的には長い間存在しています。

日本での歴史は?

歴史的な記録によれば、大麻は古代から日本に存在し、繊維や種子、薬草として利用されていました。大麻の使用についての文献は古代の書物や仏教の経典にも見られ、特定の宗教的な儀式や伝統的な薬草として使用されていた可能性があります。

ただし、大麻の法的な規制が厳格になったのは近代に入ってからであり、日本では1948年に大麻取締法が施行され、大麻の所持や使用が厳しく制限されました。そのため、合法的に大麻を使用することは現代の日本では違法とされています。

大麻の種類と麻の違い

日本でもなじみのある麻、衣類や紐などに使われていいて日本でも良く目にしますが違いはあるのでしょうか?

大麻(たいま)と麻(あさ)は、同じ植物科である大麻科(Cannabaceae)に属する植物ですが、その用途や特性において重要な違いがあります。

THC/テトラヒドロカンナビノール

精神的な高揚感や幻覚を引き起こすため、娯楽や医療目的で使用されます。

THC インディカ種

インディカ種の大麻は、一般的にリラックス効果が強く、身体的な快楽をもたらすとされています。
THCの濃度は一般的に中程度から高めで、リラックスや睡眠を誘う効果があります。

THC サティバ種

サティバ種の大麻は、エネルギーを高め、クリエイティブな思考や集中力を刺激するとされています。
THCの濃度は一般的に中程度から高めで、精神的な高揚感をもたらす可能性があります。

THC ハイブリッド種

ハイブリッド種は、インディカ種とサティバ種の交配によって生まれた品種で、さまざまな特性を持つことがあります。THCの濃度や効果は、個々のハイブリッドによって異なります。

高THC種

一部の大麻株は、THCの濃度が非常に高いものとして知られており、強力な精神活性効果をもたらすことがあります。

 

CBD/カンナビジオール

精神作用をほとんど持たず、主に医療用途で炎症や不安症状の緩和に使用されます。

CBDオイル

日本でも購入が出来るCBDオイル、大麻のオイルを購入できるの?と驚かれるかもしてませんが、違法成分のTHCが含まれていない為、天然のオイルとして使用されています。

対てんかん作用があり、特に難治性てんかんの治療において、CBDが有効であるという研究結果があります。

緩和効果、抗炎症作用、睡眠改善などの利点や効果に関する多くの情報が得られており、現在もその使用用途に関して研究が続けられています。

日本で購入できるCBDオイルは厳しい検査を通過して販売が許可をされている為THCは含まれていないといってよいでしょう、ただし、海外からの検査を受けていない直輸入などのCBDはTHCが混入している場合がありトラブルの元なので購入は避けた方が良いと言えます。

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麻/Hemp

麻は一般的に「工業用麻」として知られ、Cannabis sativa種から生産されます。
麻はTHC濃度が非常に低いため、精神作用をほとんど持ちません。代わりに、麻は繊維、種子、油を含む多くの産業製品の原料として使用されます。
麻は繊維の強度や柔軟性、種子から得られる栄養価の高い油など、さまざまな産業分野で利用されており、織物、ロープ、食品、健康製品などに使用されます。
麻は多くの国で合法で、その生産や使用に対する規制が異なります。

ヘンプシードはスーパーフードとしても注目を集めています。

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英語での呼び方

正式にはCannabis/カナバス ですが、会話の中ではweed/ウィード、Pods/ポッド、などと呼ばれています。

合法前からグレーだった大麻の存在

私が住んでいるバンクーバーでではカナダの中では大麻に関してとれもグレーな州でした。違法ではあるもののの吸っている人はあちこちにいて、購入もたばこ屋さんがある感覚で普通に販売されていました。

世界的にも有名な4.20 4月20日は大麻の日でバンクーバー市で盛大なパーティーが行われており、露天で普通に販売、公園での盛大なパーティー、バンクーバーには煙が上がり、電車の中も匂いが充満しているような状況。

Rui
Rui
はじめ私はこの存在を知らず、バンクーバーでよくイベントやデモが行われるバンクーバーアートギャラリーという所があるのですが、そこで行われているイベントでお菓子が売ってる~とみて回ったりしていました。

後から知ったのですが、そのお菓子にはすべて大麻が入っていました。

こんなにオープンに大麻が売られているなんて来た当時は思っても居なかったのです。

たばこやお酒よりの方が体に悪いという考えの人も多く、警察も道で大麻を吸っているから捕まえるなんて事はまずないのが普通の光景でした。

大麻で捕まるとしたら、密輸や違法販売などをしている人達で一般人が使用、保持をしていても問題になる事はまずないという状況が合法前から日常の光景でした。

大麻に関しての考え方は様々で他の地域や州では違法な物として、バンクーバーのように受け入れられていない所もありました。

以前からお医者さんからの診断書があれば治療目的として合法的に購入、使用が許可されていました。

大麻が合法になる!

さて、大麻がカナダで合法になるとなってまず驚いたのが、大麻に関しての使用上の注意や栽培してよい数量などが政府からカードが家に届いた事です。

Rui
Rui
合法になるとは知っていましたが、政府から使ってよいよ!と通知がくるとはびっくりしました。さらに個人宅で栽培までして良いとは驚きでした。

違法店がちゃんとしたビジネスへ

今まで違法だったお店がビジネスライセンスの取得が可能になり、ちゃんとしたビジネスとして許可されるようになりました。これにより政府は裏社会に流れていたお金を徴収、管理が出来るようになりました。

しかし実際は現在でも違法店は存在しており、政府の許可がないお店でも販売されています。

政府の許可があるお店、商品にはたばこと同様に政府のステッカーが貼られています。

日本人は使用すると捕まる?!

合法にともないバーンクーバー領事館からメールが、届きました。

内容は合法化に関しての注意事項、そして日本人が大麻を使用した場合にはどうなるのか。。。

メールには、「日本国籍である以上日本の法律が適応される為、違法行為になる」とのことでした。

日本人がカナダで大麻をしようすると法律的には逮捕されます 日本国籍からカナダ国籍にした人は別になります。

じゃあ実際、カナダで大麻を使用している日本人が続々と逮捕されているかというと、カナダに移住して約7年になりますが、今のところニュースになったり、噂ですら聞いた事がありせん。

Rui
Rui
現実として、日本人がカナダで大麻を吸おうが日本の法律ですし、カナダからしたら関係が無いんだろうと思います。あり得るとすればカナダでも違法な行為、密売をしていたとか何か別の犯罪で捕まって日本に強制送還、大麻や薬の使用などが日本の法律により裁かれる。といった事はありえるのかなーと思いました。

大麻は安全なの?

さて、合法化されたってことは大麻って使用しても体に害がないの?安全って事?って思うかもしれませんが答えは No です。

1回使用して死に至る事はかなりの量を摂取しない限りないと思います。たばこより有害物質は少ないですが、タールは含まれていますし、煙を吸うという事自体体に良い事ではありません。子供の使用はカナダでも禁止されていますし、妊婦の方へも使用を停止するように勧められています。

Rui
Rui
大麻の煙は’独特の匂いがします、人によってはスカンクの匂いと間違える人も。たばことは明らかに違う匂いなので、吸っている人がいると分かるようになってきます。

それじゃあ食べた時はどうなの?

タール、一酸化炭素、有害な化学物質を含む煙を吸い込むという事はなくなりますが、吸引した時と同様不安感やパニック発作の増加、認知機能の低下、精神病的症状の悪化、特に統合失調症のリスク増加などの精神的健康への影響。依存性があり、一部の人々は大麻に対して身体的または精神的な依存を発展させる可能性があります。これに伴う離脱症状や生活への悪影響も考慮する必要があります。また大麻の使用は、認知機能の低下や注意力の散漫さを引き起こす可能性があり、学業や職場でのパフォーマンスに悪影響を及ぼすことがあります。

食べるのは喫煙するより危険??

こちらではTHCが入ったグミやクッキー、チョコレートなどがありますが、気を付けないといけないのが、摂取量です。食べた場合喫煙よりも効果がゆっくり現れるので、「なんも変わりないじゃん」と食べてしまい、摂取量を誤りオーバードースになり錯乱状態で救急車で運ばれる。という事も実際にあるそうです。アルコールでいう急性アルコール中毒に似ているかもしれません。

Rui
Rui
食べる方も直接葉っぱを入れて作っているものは、独特な香りがするのですが、私が危険だなと思う事はTHCは結晶化してほぼ無味無臭に出来るので、食べ物に混入されていた場合分からないという事です。

現在もあるのか分かりませんが、合法当時に大麻を使った料理を提供するレストランが話題になっており凄いな!!と驚いたのを覚えています。

合法になって生活は変わったか?

合法になって私自体の生活は特に変わる事はありませんでした。たばこやお酒と同じ扱いになるので、未成年への販売禁止、街の中の注意書きに大麻が加わったという事ぐらいでしょうか。

お子さんが居る家庭からは学校で大麻に関しての授業がさらに追加されたという事は言っていました。政府の発表でも子供への薬に関する教育を強化するという発表がありました。

私はこの試みはとても良い事だと思います。どうしてダメなのか、使用したらどうなるのかなどを隠さずちゃんと理解するという事は、誤った知識を教えられたり、生活するうえで接する機会があった時に自分できちんと判断が出来るようになると思うからです。大人でもそうですが、子供は好奇心の塊だと思います。頭ごなしにダメだと言われれば反発してやりたくなるものだと思います。たばこやお酒の摂取しすぎれば病気になりますし、中毒になります。大麻も嗜好品として使用する場合は、合法になった以上は正しい知識をもつことが自分を守る一番の方法だと私は思っています。

バンクーバー空港の大麻の喫煙所
バンクーバー空港の大麻の喫煙所

生活していて勧められる事はあるの?

答えは「あります。」合法になる前から、勧められる事はありました。お酒飲もうよと同じ感覚で大麻を吸う人は声をかけてきます。たばこのように1本まるまる吸うものではないので、1本吸う時に一口ずつ吸いまわしをするというのが普通で、みんなで集まった時に誘われる時があります。その時に一口だけなら吸ってみよーと試すのは私はお勧めできません。何故なら、その大麻がどれくらい強いものなのかも分からないですし、他の人達は大麻に慣れているので、見た感じは変化が無いかもしれませんが、慣れてない人は効果がダイレクトに出る場合もあり、しゃべれなくなる、記憶が断片的になる、動けなくなる、などの症状が出やすいからです。

お酒を飲んだ事が無い人が、テキーラをショットでいっきに飲んだらどうなるでしょう?それと同じ感覚かなと思います。なので初めてあった人やパーティーなどで大麻を吸った場合、さらにそこにお酒が入っていたらどういう危険があるのかは想像が出来るはずです。

さらにカナダは日本よりもドラックが身近です。日本に居た時東京で結構やんちゃな10代を過ごしていましたが、運が良かったのかもしれませんが大麻を含め一度も薬物に接する機会がありませんでした。

しかし、カナダに来た当初に飲み会に参加したとき「コカインやる人?」と聞かれた時には一瞬時が止まりました、しかも初対面の人に。その後その人達の飲み会には参加しませんでした。

現地の人からしたら見つかっても厳重注意ぐらいで終わるかもしれませんが、こっちはワーホリビザで永住権を目指してる身、もしも何かトラブルに巻き込まれて強制送還、その後カナダへ入国出来なくなる可能性を考えたら、その時の友人関係どうこうよりも自分の今後の人生の方がよっぽど大切だと思ったからです。

もしも誘われたとしてもきちんと「No」という事、それでも無理に勧めてくる人との関係は見直した方が良いと思います。

理解する事の大切さ

カナダに来た当初は大麻を吸っている人というだけで、嫌だな~という気持ちがありました。特に日本人に対しては「この人はなんの為にカナダに来ているんだろう?」とも思ったり、まだ合法でないときに愛用している人がいると、なんかあったらどうするんだろうと。

特に合法になってから、身近な人が使用している場合、私自身理解するのに時間がかかりました。私自身も単純にダメ、嫌だからという理由ではなく、大麻とはなんなのか、どうして使用するのか、使用したらどういう効果があるのかなど、勉強、観察するようにしました。

現在私の中で大麻の位置づけはアルコールと同じ感じです。やる人はやるし、やらない人はやらない。
正直なところアルコールは狂暴になったり、人格が変わったりと人に危害を加える事が多い、私自身そういう人をいっぱい見てきましたが、大麻に関しては今のところそういった人格の変化をする人には出会った事はなく、逆にリラックスしていたり、寝てしまったりという人がほとんどで、アルコール中毒の人、睡眠薬の乱用をしている人よりマシだと思っています。何度も同じことを繰り返しいいだしたら、お酒と一緒で酔っ払ってるので相手にしないのが一番です。私もすべての大麻使用者と会ったことがあるわけでもないですし、大麻パティーのような場面に行ったことが無いので危険な人がいないとは言えません、もともとマイナス思考の人が気分が落ち込んでいる時に吸うとさらに悪化するともあるそうです。

過度に使用すれば危険だし、使わない事に越した事はないと思っていますが、人間ですから、生活の中でのストレスの発散、良い睡眠をとる為など、精神疾患、うつ病の治療などにも使用されるなどプラスの面もあると思っています。

アルコール、たばこを使用する人と全く関係をもたないというのはなかなか難しい思います。カナダの場合それに大麻が加わっているという感じです。使用するかしないかは自分次第。なんでもほどほどが良いと私は思っています。大麻だけではなくアルコールであったとしても、医者で処方されてる薬でさえも適量を自分の生活が良くなるように使用をする事が大切なことじゃないかなと思います。

 

まとめ

今回は大麻についてまとめてみました。正直大麻の事を書くのにためらいが無かったわけではありませんが、今後カナダに留学、旅行にくる時に参考になればと思います。

お子さんがカナダに留学をする方は、出発前に大麻に関して、また薬物に関して一度一緒に話し合ってみるのも自分の身を守る為には必要なことではないかと思います。まずは薬物の危険がある事。頭ごなしに「薬物に手を出したら駄目だからね!」というのではなく、どうしてダメなのか、どんな影響があるのかなど理解する事はとても大切な事だと思います。

現在大麻に関しては分かっていない事もあり、研究が進められています。近年合法になっている国が続々とでてきているなか、カナダはどういう方向に進むのか。日本が合法になる日がくるのか。。。