白人警官が黒人男性を取り押さえ死亡させた事件による抗議運動から暴動へ

この一週間コロナよりもニュースで流れているこの事件。

ここバンクーバーでもプロテストが行われて暴動に発展しないか少し不安な日々を過ごしています。

あまり日本では報道されていないという事なので、今回の出来事をまとめてみました。

事件の内容

5月25日、米ミネソタ州ミネアポリスで偽の小切手を使おうとしたとして通報を受けた警察が現場へ出動。40代の黒人男性(ジョージ・フロイドさん(46))が白人警官に押さえつけられて死亡しました。逮捕の際にフロイドさんはうめき声を上げ、「息ができない、殺さないでくれ」と白人警官に繰り返し訴える様子が動画に撮影されており、全米各地で警官の黒人への過剰な暴力だとして抗議運動が起きました。

この白人警官4人は懲戒免職、首を抑えて死亡させたとして、デレック・チョーヴィン被告(44)が29日第3級殺人罪と故殺罪で起訴されています。

事件発生後の抗議運動

この動画がSNS発信されて、一般市民によるProtest/抗議運動 がアメリカ国内で開始され、全米各地で行われるほとんどの抗議行動は平和的なものでしたが、参加者の一般市民への暴行や、略奪へと発展し、機動隊と抗議者の衝突も相次いでいて、パトカーや建物が燃やされたりと過激になっており死亡者も出ています。

photo from usatoday
photo from Los Angels Times
photo from Los Angels Times
photo from Los Angels Times
photo from Los Angels Times

[balloon_left4 img=”https://canadawithjapan.com/wp-content/uploads/2019/01/rui4.png” caption=”Rui”]初めて暴動の映像をニュースで見た時はデモ参加者が一般道路を封鎖して、来る車を襲撃しているもので怖かったです。[/balloon_left4]

アメリカでは多くのアフリカ系市民が、今も社会に根強く残る人種隔離により社会経済的に不利な状態に追い込まれており、白人よりも失業率が高く、白人警官による黒人の射殺事件は度々おこっていて、今回の事件はパンデミックの真っ最中で、市民のストレスや怒りが抗議運動の拡大の理由の一つとも言われています。

今回のデモはフロイドさんの事件がきっかけになりましたが、アフリカ系アメリカ人だけの問題ではなく、差別問題や警察による過度な暴力に対する抗議活動で、人種を問わず老若男女が参加しおり平和的抗議活動を行っていました。人種差別に対する怒りで「黒人」が暴徒化したという訳では無いというのもポイントになると思います。

Rui
Rui
実際にデモの参加者は黒人だけではなくいろいろな人種の人達が参加しているのがみてとれます。

過激な報道が続く一方で、心から平和を望んでいる人達の姿、人種を超えて人を思いやる姿も見る事が出来ます。

photo from The Guardian
photo from news3

また警察のすべてが過激な武力制圧をしている訳では無く、今回の事件に対して過剰な行動であった事を認めており、共に抗議活動に参加する警察官やデモ行進に対しヘルメットや武器を置いて平和を祈願する姿も多く見られました。

photo from VIETNAMTIMES
photo from VIETNAMTIMES

インスティゲイター / Instigator

最も注意して事件を見て欲しいのが、インスティゲイターの存在。インスティゲイターとは、デモ参加者を暴徒化させるために、部外者がデモ参加者を装い店舗等を破壊し暴徒化を煽る人達のことで、今回の暴動には多くのインスティゲイターが関与している事です。

またトランプ大統領は事件への抗議が暴徒化するなか、責任は「反ファシスト」の極左の勢力にあるとしてテロ組織に指定する意向を示しました。

[balloon_left4 img=”https://canadawithjapan.com/wp-content/uploads/2019/01/rui4.png” caption=”Rui”]平和的に抗議運動を行っていたにも関わらず、暴力や強奪などを正義の言葉と共に行っている人達は矛盾もしていますし、一般市民からしたら恐怖でしかないように思います。[/balloon_left4]

フロイドさんの弟テレンスさんも暴力的なデモを強く非難しています。

[balloon_left4 img=”https://canadawithjapan.com/wp-content/uploads/2019/01/rui4.png” caption=”Rui”]友人がロサンゼルスに居るのですが、夜間の外出禁止が出ていたり不安な日々を過ごしているという事でした。[/balloon_left4]

カナダでの抗議活動

今回の抗議活動はカナダでも行われていて、特にケベック州モントリオールでは熱を増していています。

先日バンクーバーのアートギャラリー前でも抗議運動が行われ多くの人が集まりました。

photo from cbc
Rui
Rui
現在では暴動に発展していませんが今後の動きをフォローする必要がありそうでです。

まとめ

カナダでも多くの抗議活動が行われています。過激なものは無くとても平和的に行われているものがほとんどです。

カナダは民主主義の国ですし、国民が声を上げる事はとても大切な事で、私も賛成です。

しかし、今回は抗議運動とはかけ離れた、暴動、暴行、略奪等は本来の目的とは全く関係のないものであり、現状アメリカではすでに人種差別への抗議運動では無くなっているとも言われています。

人種差別の問題は本当に根深いものだとカナダに来てより感じる事の一つです。

コロナでもヘイトクライムといって、アジア人への攻撃が存在します。

私自身コロナの以前から、日本人、アジア人である事で通りすがりに汚い言葉を言われたり、過去の戦争の事に対して強い言葉を言われる事がありました。

とても悲しくなりますが、日本人である事を誇りに思える自分でありたいと思っています。

人種差別では無いですが、今回のコロナで日本人どうしでも傷つけあう事件が増えています。

傷つけあっても悲しみしや憎しみしか生まれないと思います。

様々な感情があるからこそ人間ですが、悲しむ人が少なくなる世の中でありますように。