ソーシャルディスタンス/ Social distance 社会的距離 英語でどう使うの?
日本でももう良く知られてきたソーシャルディスタンス。人との距離を保ちましょうという、コロナの予防策として広がってきた言葉ですが、本来どういった意味を持っているのでしょうか??
また英語圏とは異なる使い方をされているソーシャルディスタンスの疑問を調べてみました。
ソーシャルディスタンスとソーシャルディスタンシング 違いは?
今回調べていくうちにどんどん深みにはまってしまいました。。。
日本では言い方が楽だからなのかソーシャル ディスタンスが定着してきていますが和製英語として捉える方がややこしくならずに理解が出来るかなという結論に。
日本語で使っているような文の場合、例えば
ソーシャルディスタンスを確保しましょう。
と言われたら「2メートル人との距離を保つ事」と認識する人が多いと思います。
しかし同じ意味を英語で言いたい場合は。
You will be required to maintain a two-metre distance from others at all times.
When you do go out, keep 2 metres or 6 feet apart from others.
のようにソーシャルディスタンスというワードは出てこないんです。
Social Distancing
Social distancingは動名詞で感染予防の為に距離を取る対策を示していて、人との距離を2メートル保つ以外にもその他距離を保つ事で感染を防ぐ対策全ての事を指します。
なので国によてソーシャルディスタンスィングは変わってきます。
カナダの政府公式ページではこう説明されています。
Social distancing is proven to be one of the most effective ways to reduce the spread of illness during an outbreak.
What does Social Distancing mean?
This means making changes in your everyday routines in order to minimize close contact
with others, including:
・avoiding crowded places and non-essential gatherings/ 混雑した場所や重要でない集まりを避ける
・avoiding common greetings, such as handshakes/ 握手などの一般的な挨拶を避ける
・limiting contact with people at higher risk (e.g. older adults and those in poor health)/ リスクの高い人(高齢者や健康状態の悪い人など)との接触を制限する
・keeping a distance of at least 2 arms lengths (approximately 2 metres) from others,
as much as possible/ 他の人から少なくとも2本の腕の長さ(約2メートル)の距離を保つ
そしてそソーシャルディスタンスィングの実践方法として様々な対策が書かれています。
Here’s how you can practice social distancing
・greet with a wave instead of a handshake, a kiss or a hug/ 握手、キス、抱擁の代わりに手を振り挨拶する
・stay home as much as possible, including for meals and entertainment/ 食事や娯楽を含め、できるだけ家にいる
・shop or take public transportation during off-peak hours/ オフピーク時に買い物や公共交通機関の利用する
・conduct virtual meetings/ オンライン会議の実施
・host virtual playdates for your kids/ 子供の為にオンラインでのお遊び会を主催する
・use technology to keep in touch with friends and family/ 通信機器を使って友達や家族と連絡を取り合う
If possible
・use food delivery services or online shopping/ 宅配・ネットショッピングの利用
・exercise at home or outside/ 自宅または屋外での運動
・work from home/ 在宅勤務
Social Distance
Social distanceは社会距離と訳されていることが多いですが、社会学用語の名詞で社会的グループ(出身階層・人種・性別)を排除するといった感じの意味があり、Social distancingの感染症拡大防止の観点で感染抑制のための手段の事を表すのでは大きな違いが出てきます。
コロナ関係の英文でも動詞として使われている事がありますが、あまり使われてない印象があります。
ソーシャルディスタンシングは新語??
英語圏のコロナ対策でこのソーシャルディスタンシングは実はもともとあった言葉で医学論文では、2006年、効果的な薬もワクチンもない感染症のパンデミックに関する論文に初めて使われているようです。
しかし一般的には広まってはおらず、今回の新型コロナウィルスで使われ始めて一般的に広まりました。
Social Distancing から Physical distancingへ変更
ここまで2つの違いについて書いてきましたが、Social distancing 自体実は政府関係の情報では使われなくなってきています。
新しく使われるようになってきたのが「Physical distancing」他の国では既に使われていた言葉なのですがWHOが「これからはフィジカル ディスタンシィングを使って行く」と発表して各国Physical distancingに揃えてきている感じがします。
カナダでもSocial distancingで書いたようにSocial distancingを使っていたのですが、現在はPhysical distancingで新たに更新されています。(カナダ政府公式HP)
専門家が集まるコロナの対策委員会でSocial distancingにはある種の個人主義や社会的断絶・排除を示す場合がある事から、孤立したり、差別など不安を増長させていまう恐れがあり、今の現状はむしろ社会的なつながりを維持することが最重要になるという意見がでて、Physical distancingを使って行こうという流れになったようです。
Physical distancingとは?
フィジカル ディスタンシィングはソーシャルディスタンシィングと意味は同じで感染予防の為に距離を取る対策の事を指すのですが、フィジカル ディスタンシィングは物理的距離 (目に見える物や人との距離)に対して予防をしましょうという事です。
まとめ
英語で使われているSocial distance、Social Distancingと日本で使われているソーシャルディスタンスの意味がどうもマッチせず調べてみました。
英語圏で生活している場合は違いを理解しておかないと頭の中でごちゃごちゃになる気がしますが、今の所、日本語でソーシャルディスタンスやソーシャルディスタンシングと書かれている時は、「2メートル離れる事」だなと理解するとすんなり入ってくるかなと思いました。
もともとあった言葉とは言え新型コロナで頻繁に使われるようになり、各国、各人で使われ方、捉え方が異なるのかな?といった印象です。
間違いなく2020年の流行語になりそうなこの言葉、いつの日かそんな言葉もあったなーと思える日が早く来てくれる事を願います。